LINEは日本国内で月間アクティブユーザー約9,700万人を誇る、生活インフラと言っても過言ではないメッセージアプリだ。この圧倒的なリーチ力に目をつけ、LINE公式アカウントを活用する企業や店舗が業種を問わず急増している。
しかし現実には「LINE公式アカウントを開設したものの、うまく使いこなせていない」「配信のネタや頻度が分からない」という事業者は非常に多い。そこで生まれているのが、LINE公式アカウントの運用代行という副業だ。この記事では、ゼロからLINE公式アカウント運用代行を始めるための知識と手順を詳しく解説する。

LINE公式アカウント運用代行の仕事内容
LINE公式アカウント運用代行では、以下のような業務を担当する。
基本的な業務
- メッセージ配信の企画・作成:セール情報、新商品案内、季節のキャンペーンなどのメッセージ文面を作成
- リッチメニューの設計・制作:トーク画面下部に表示されるメニューのデザインと設定
- あいさつメッセージの設定:友だち追加時に自動送信されるメッセージの作成
- 自動応答メッセージの設定:よくある質問への自動返信の設計
- クーポン・ショップカードの作成:来店促進のためのデジタルクーポンやポイントカードの設定
- 配信結果の分析・レポート作成:開封率やクリック率の分析、改善提案
応用的な業務
- Lステップなどの拡張ツールの構築:ステップ配信やセグメント配信の自動化設計
- LINE広告の運用:友だち追加広告やLINE広告の出稿・運用
- CRM(顧客管理)連携:顧客データの管理と活用
特に需要が高いのはリッチメニューの制作とメッセージ配信代行。この2つだけでも十分に案件として成立する。
機能の全体像をつかむには、LINE公式アカウントの解説本を1冊手元に置いておくと便利です。
LINE運用代行の報酬相場
副業として個人で受注する場合の報酬目安を紹介する。
- リッチメニュー制作のみ:1件あたり1万〜5万円
- 月2〜4回の配信代行:月額1万〜3万円
- アカウント初期構築(リッチメニュー+あいさつメッセージ+自動応答設定):5万〜15万円
- フル運用代行(配信+分析+改善提案):月額3万〜10万円
- Lステップ構築込み:10万〜30万円
LINE公式アカウントの料金プランは、コミュニケーションプラン(月額無料・月200通まで)、ライトプラン(月額5,000円・月5,000通まで)、スタンダードプラン(月額15,000円・月30,000通+追加従量課金で配信可)の3種類がある。クライアントのプラン選定のアドバイスも求められることがあるので、各プランの違いは把握しておこう。

LINE公式アカウント運用代行の始め方
ステップ1:LINE公式アカウントの基本を学ぶ
まずは自分でLINE公式アカウントを開設し、各機能を触ってみよう。LINE公式アカウントは無料(コミュニケーションプラン)で開設できるので、コストはかからない。「LINE for Business公式サイト」から登録可能だ。
実際に触ってみるべき機能は以下の通り。
- メッセージ配信(テキスト・画像・カードタイプ)
- リッチメニューの作成
- あいさつメッセージの設定
- 自動応答メッセージの設定
- クーポンの作成
- 分析画面の確認
ステップ2:リッチメニューのデザインスキルを身につける
リッチメニューはLINE公式アカウントの「顔」とも言える重要なパーツ。Canvaを使えば、デザイン未経験でもプロっぽいリッチメニューが作れる。テンプレートも多数用意されているので、それをカスタマイズするだけでも十分なクオリティになる。
Canvaの操作に慣れていない方は、解説本を手元に置いておくとリッチメニュー作りがスムーズです。
ステップ3:ポートフォリオを作成する
以下の内容をまとめてポートフォリオとして準備しよう。
- 自分で構築したLINE公式アカウントのスクリーンショット
- リッチメニューのデザインサンプル(複数パターン)
- 配信メッセージのサンプル文面
- 自動応答フローの設計例
ステップ4:案件を獲得する
案件獲得のおすすめルート
- クラウドソーシング:クラウドワークスやランサーズで「LINE公式 運用」「LINE構築」で検索
- ココナラ:「LINE公式アカウント設定代行」「リッチメニュー制作」として出品
- 直接営業:飲食店・美容室・整骨院など、地域密着型の店舗に提案
- SNS発信:制作実績をSNSで公開して問い合わせを集める
特に地元の小規模店舗はLINE公式アカウントの活用度が低いケースが多い。「友だち登録してもらっているのに配信していない」という店舗は珍しくないので、「今ある友だちリストを活かしましょう」という切り口で提案すると刺さりやすい。
ステップ5:スキルアップで単価を上げる
基本的な運用代行ができるようになったら、以下のスキルを追加で身につけると単価アップにつながる。
- Lステップの構築:ステップ配信やセグメント配信の自動化。需要が高く高単価
- LINEミニアプリの知識:予約システムや会員証機能の導入
- データ分析スキル:開封率・クリック率の改善提案

LINE運用代行の副業で注意すべきこと
個人情報の取り扱い
LINE公式アカウントでは顧客の個人情報(名前・連絡先等)を扱うことがある。個人情報保護法に基づいた適切な管理が求められるので、クライアントと秘密保持契約(NDA)を締結しておくことを推奨する。
メッセージ配信のタイミング
深夜や早朝にメッセージを配信すると、ブロックされるリスクが高まる。業種やターゲット層に合わせて適切な配信時間を設定しよう。一般的には平日の12時〜13時(昼休み)や19時〜21時(帰宅後)が開封率の高い時間帯とされている。
確定申告を忘れない
副業所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要。ツールの利用料やデザインソフトの月額費用は経費計上できる。「国税庁のページ」で要件を確認しておこう。
クライアントのLINE公式アカウントの管理者権限をもらう際は、「管理者」ではなく「運用担当者」の権限で十分な場合が多い。必要以上の権限を持たないことがトラブル防止につながる。
よくある質問(Q&A)
Q. LINE公式アカウント運用代行にプログラミングスキルは必要?
A. 基本的な運用代行ではプログラミングは不要。リッチメニューの制作やメッセージ配信はノーコードで対応できる。ただし、Lステップなどの高度な自動化を構築する場合は、一定のシステム理解があるとスムーズだ。
Q. どんな業種のクライアントが多い?
A. 飲食店、美容室・サロン、整骨院・治療院、不動産会社、ECショップなど幅広い。特にリピーターの獲得が重要な業種ではLINE公式アカウントの需要が高い。
Q. 月にどのくらいの時間がかかる?
A. クライアント1件あたり月5〜10時間程度が目安。月2〜4回の配信代行であれば、1回の作業は1〜2時間程度で完了する。慣れてくれば効率も上がっていく。
Q. 最初の案件の報酬はどのくらいが相場?
A. 実績がない初期段階では、リッチメニュー制作1件1万円前後からスタートするのが現実的。実績が増えてきたら徐々に単価を上げていこう。最初は実績づくりと割り切る姿勢も大切だ。
LINE運用代行に向いている人の特徴
LINE公式アカウント運用代行は、以下のような人に向いている。
- コツコツとした作業を丁寧にこなせる人
- 文章を書くのが得意な人(メッセージ配信のコピーライティング力が活きる)
- デザインに興味がある人(リッチメニュー制作でCanvaなどを使う)
- マーケティングや数字の分析が好きな人
- 新しいツールやシステムの操作を覚えるのが苦にならない人
- コミュニケーションが得意で、クライアントとの打ち合わせもスムーズにこなせる人
LINE公式アカウントの運用は、華やかさよりも地道な配信の積み重ねが成果につながる世界だ。派手なことは苦手でも、コツコツ型の人には非常に相性がいい副業と言える。
LINE運用代行で差がつくスキル3選
1. コピーライティング力
LINEのメッセージは「開封してもらうこと」がまず重要。限られた文字数の中でクリックや来店を促すには、読者の心を動かす文章力が武器になる。普段から広告やメルマガの文面を分析し、「なぜクリックしたくなるのか」を考えるクセをつけておこう。
文章力を伸ばしたい方は、コピーライティングの本で型を学んでおくと配信文の作成に活かせます。
2. データ分析力
配信したメッセージの開封率・クリック率・ブロック率などのデータを読み解き、次の施策に活かせる力があると、クライアントからの信頼度が格段に上がる。Excelやスプレッドシートで簡単なレポートを作れるだけでも十分だ。
3. 顧客心理の理解
どんなタイミングでどんな内容を配信すれば反応が得られるか。顧客の行動パターンや心理を理解している人は、配信の企画力で大きな差をつけられる。日頃から自分がLINE公式アカウントのメッセージを受け取ったときに「なぜ開封したのか」「なぜスルーしたのか」を意識しておくと良い。
まとめ
LINE公式アカウント運用代行は、InstagramやTikTokの運用代行と比べてまだライバルが少なく、今から参入するにはちょうど良いタイミングの副業だ。リッチメニュー制作やメッセージ配信代行から始めれば、未経験でもスタートしやすい。
まずは自分でLINE公式アカウントを開設して触ってみて、基本機能を理解するところから始めよう。スキルが身についたら、地元の店舗への直接提案やクラウドソーシングで案件獲得に動き出してみてほしい。コツコツ実績を積めば、月5万〜10万円の安定収入を作ることも十分に可能だ。



