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副業の赤字で確定申告するメリットとは?損益通算や節税の仕組みを解説

副業の税金・確定申告

「副業が赤字だったけど、確定申告する意味はあるの?」と疑問に思っている人は少なくないだろう。実は、副業の赤字をうまく活用すれば本業の給与にかかる税金を減らせる可能性がある。

この記事では、副業の赤字を確定申告で活用するメリット、損益通算の仕組み、赤字を翌年以降に繰り越す方法、そして赤字申告の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説していく。確定申告に苦手意識がある人も、この記事を読めば赤字の活用方法がしっかり理解できるはずだ。

ナビ助
ナビ助
赤字でも確定申告するメリットってあるの?って思うよね。実は知らないと損する仕組みがあるんだよ

副業が赤字でも確定申告したほうがいい理由

副業の所得が20万円以下なら所得税の確定申告は不要、というルールは多くの人が知っていると思う。では赤字の場合はどうか。赤字なら所得はゼロ以下なので、そもそも申告義務はない。

しかし、赤字でもあえて確定申告することで「損益通算」という仕組みを使って節税できるケースがある。これが、赤字でも確定申告をおすすめする大きな理由だ。

たとえば、副業で機材を購入したり、教材に投資したりして赤字になった場合、その赤字を本業の給与所得と相殺すれば、すでに源泉徴収で天引きされていた所得税の一部が還付(返金)される可能性がある。申告しなければ、この還付は受けられない。

ただし、損益通算が使えるのは副業の所得区分が「事業所得」の場合に限られる。「雑所得」では損益通算ができないため、この違いを正しく理解しておくことが重要になる。

所得区分や申告の流れは、副業向けの確定申告本で全体像をつかんでおくと理解しやすくなります。

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損益通算とは?仕組みをわかりやすく解説

損益通算とは、ある所得で生じた赤字を別の所得の黒字と相殺して、トータルの課税所得を減らす制度のこと。所得税法第69条に定められている。

たとえば、本業の給与所得が500万円、副業の事業所得が-50万円(赤字)の場合、損益通算により課税所得は450万円になる。この差額50万円分に対する所得税と住民税が軽減されるわけだ。

損益通算ができる所得の種類

損益通算ができるのは以下の4種類の所得に限定されている。

  • 不動産所得:賃貸収入から経費を引いた所得
  • 事業所得:副業の事業から得た所得(これが副業の主なパターン)
  • 譲渡所得:資産の売却による所得(ただし土地建物・株式等は除外あり)
  • 山林所得:山林の伐採・売却による所得

副業の場合は主に「事業所得」が該当する。雑所得は損益通算の対象外なので、ここが最大のポイントになる。

ポイント

損益通算で給与所得と事業所得の赤字を相殺すると、源泉徴収で天引きされていた所得税の一部が還付される可能性がある。つまり、すでに払った税金が戻ってくるということだ。

「事業所得」と「雑所得」の違い ── 赤字活用の分かれ道

副業の赤字を損益通算に使えるかどうかは、所得区分が「事業所得」か「雑所得」かで決まる。ここが非常に重要なポイントだ。

事業所得と認められるための条件

所得税基本通達や過去の判例をもとにすると、事業所得と認められるためには以下の要素が総合的に判断される。

  • 継続的・反復的に行っている活動であること
  • 営利性・有償性があること(利益を目指して行っている)
  • 自己の計算と危険において独立して行っていること
  • 帳簿書類を作成・保存していること
  • 社会的に事業として認められる程度の規模であること

特に、帳簿の作成・保存は重要な判断材料になる。収支を記録した帳簿があるかどうかで、雑所得か事業所得かの判定に大きく影響する。帳簿をつけていない場合は、雑所得と判断される可能性が高まるため注意しよう。

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雑所得の場合の扱い

副業が雑所得に区分される場合、赤字が出ても他の所得(給与所得など)と相殺することはできない。雑所得の赤字は「ゼロ」として扱われ、損益通算の対象外になる。つまり、雑所得が赤字でも税金面でのメリットは受けられないということだ。

ナビ助
ナビ助
損益通算を使いたいなら、副業が「事業所得」になるように帳簿をしっかりつけることが大事だよ

青色申告ならさらにお得!赤字の繰越控除と繰戻し還付

開業届を出して青色申告を選択している場合は、損益通算だけでなく「純損失の繰越控除」というさらに有利な制度が使える。

赤字を3年間繰り越せる「繰越控除」

青色申告者であれば、その年に出た赤字(損益通算してもなお残る損失)を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる。翌年以降に黒字が出たとき、過去の赤字と相殺して課税所得を減らせる仕組みだ。

たとえば、1年目に副業の事業所得が-80万円の赤字で、2年目に+100万円の黒字が出た場合、繰越控除を使えば2年目の課税対象は100万円-80万円=20万円になる。2年目の税金がかなり軽くなるため、大きな節税効果がある。

前年の税金を取り戻す「繰戻し還付」

前年も青色申告をしていた場合は、今年の赤字を前年の黒字と相殺し、前年に納めた所得税の還付を受ける「繰戻し還付」も選択できる。将来の利益ではなく、すでに払った税金を取り戻すことができるという即効性のある制度だ。現金が手元に戻ってくるため、資金繰りが厳しいときに助かる仕組みともいえる。

ポイント

繰越控除と繰戻し還付はどちらか一方の選択になる。繰越控除は翌年以降3年間使えるが、繰戻し還付は前年に限定される。来年以降の黒字が見込めるなら繰越控除、すぐに現金が欲しいなら繰戻し還付と、自分の状況に応じて有利なほうを選ぼう。

副業の赤字申告で気をつけるべき5つの注意点

注意点1:意図的な赤字計上は税務調査の対象になりうる

節税目的で経費を過剰に計上し、わざと赤字にする行為は税務署に目をつけられるリスクがある。経費はあくまで「事業に直接関連する支出」が原則で、プライベートの支出を経費に混ぜるのは脱税にあたる可能性がある。

注意点2:何年も連続で赤字だと事業性を疑われる

副業の事業所得が毎年赤字で、それを給与所得と損益通算し続けていると、「実態は趣味なのでは」「事業性がないのでは」と税務署に判断され、雑所得に変更されるリスクがある。過去に遡って修正申告を求められ、追徴課税が発生するケースもあるため注意が必要だ。

注意点3:雑所得では赤字の活用ができない

繰り返しになるが、雑所得の場合は赤字を他の所得と通算することも、翌年に繰り越すこともできない。赤字を節税に活かすためには、事業所得として認められる状態を整えることが前提になる。

注意点4:住民税への影響を理解する

損益通算により課税所得が減ると、翌年の住民税も下がる。これ自体はメリットだが、副業の存在が住民税の変動を通じて会社に知られるきっかけになることもある。住民税の普通徴収を選ぶなどの対策も合わせて考えておこう。

注意点5:赤字申告でも帳簿は必要

赤字だからといって帳簿が不要になるわけではない。むしろ、赤字の根拠を示すためにこそ、正確な帳簿が必要になる。収入と経費の記録、領収書の保管は黒字・赤字にかかわらず行っておこう。

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注意

「節税のために赤字を出す」のではなく、「事業運営の結果として赤字が出たときに制度を活用する」というスタンスが正しい。意図的な赤字計上は税務リスクを高めるだけだ。

ナビ助
ナビ助
赤字申告はうまく使えば節税になるけど、ズルい使い方をすると痛い目にあうから、正直にやるのが一番だよ

赤字申告の具体的な手順

ステップ1:副業の収支を計算する

まず、副業の1年間の収入と経費をすべて洗い出す。収入から経費を差し引いた結果がマイナスなら、それが赤字額になる。帳簿や会計ソフトで正確に計算し、領収書やレシートと照合しておくことが大切だ。

会計ソフトは、パッケージ版を購入して使う方法もあります。

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ステップ2:確定申告書を作成する

確定申告書の「事業所得」欄に収入と経費を記入し、赤字額を「損失額」として記載する。損益通算を行う場合は、確定申告書第四表(損失申告用)も合わせて提出する必要がある。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に従って入力するだけで書類が完成する。

ステップ3:必要書類を添付して提出する

青色申告の場合は青色申告決算書、白色申告の場合は収支内訳書を添付する。源泉徴収票やマイナンバー関連書類も必要になる。e-Taxでの電子申告なら、自宅からオンラインで完結できるため便利だ。

副業の赤字と確定申告に関するQ&Aコーナー

Q. 副業の赤字が出た場合、確定申告は義務?

赤字の場合は確定申告の義務はない。ただし、損益通算や繰越控除による節税メリットを受けるためには、確定申告する必要がある。申告しなければ、その年の赤字は活用されずに消えてしまう。

Q. 白色申告でも損益通算は使える?

白色申告でも損益通算は利用できる。ただし、白色申告では赤字の繰越控除(3年間)や繰戻し還付はできない。損益通算はその年限りの相殺にとどまる点を理解しておこう。

Q. 副業初年度は赤字になりやすいけど問題ない?

副業を始めた初年度は、パソコンの購入費や教材費、ソフトウェア代、備品代などの初期投資で赤字になることは珍しくない。正当な経費による赤字であれば何ら問題はない。ただし、2年目・3年目と連続して赤字が続くと事業性を疑われる可能性があるため、早期に黒字化を目指す姿勢が大切だ。

Q. 赤字申告すると税務調査が来やすくなる?

赤字申告をしたからといって、すぐに税務調査が来るわけではない。ただし、毎年赤字で損益通算を繰り返している場合や、経費の内容に不自然な点がある場合は、調査対象になりやすくなる。正直な帳簿と合理的な経費計上を心がけよう。

Q. 株式投資やFXの赤字も損益通算できる?

株式の譲渡損失は、配当所得や他の株式譲渡益との損益通算は可能だが、給与所得との損益通算はできない。FXの損失も、同じ先物取引等に係る雑所得内でしか通算できず、給与所得との通算はできない。副業の事業所得の赤字とは扱いが異なるため注意が必要だ。

Q. 損益通算の結果、所得税がゼロになったらどうなる?

損益通算の結果、所得税がゼロになれば源泉徴収されていた所得税は全額還付される。さらに、それでも赤字が余っている場合は(青色申告なら)翌年以降に繰り越すことができる。

ナビ助
ナビ助
赤字をうまく活用できれば、払いすぎた税金が戻ってくることもある。知っておくだけで得する知識だよ

まとめ

副業の赤字を確定申告で活用するメリットは、損益通算による所得税・住民税の軽減、そして青色申告の繰越控除・繰戻し還付による長期的な節税効果だ。

ただし、損益通算を使うには副業の所得が「事業所得」である必要がある。雑所得では赤字の通算や繰越はできないため、帳簿の作成・保存や開業届の提出を行い、事業所得として認められる体制を整えることが重要だ。

赤字は「損した」と落ち込むだけでなく、正しく確定申告すれば節税ツールになりうる。確定申告の仕組みを理解して、赤字を前向きに活用していこう。

参考:国税庁|損益通算

参考:マネーフォワード|サラリーマンの副業での赤字は節税になる?

参考:弥生|会社員が副業で節税する方法

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