「会社員を辞めずにフリーランスなんてできるの?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、会社員とフリーランスの両立は十分可能です。ただし、時間管理と優先順位の付け方がカギになります。
いきなり独立するのは怖いけれど、安定収入を維持しながら実績を積みたい。そう考えている方にとって、会社員×フリーランスの「複業」スタイルは、リスクを最小限に抑えながらキャリアを構築できる最良の選択肢です。
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会社員×フリーランスの「複業」とは?
「副業」と「複業」は似ているようで異なります。
| 項目 | 副業 | 複業 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 本業のサブ | 複数の本業 |
| 収入の比率 | 本業9:副業1 | 本業6:複業4なども |
| コミット度 | 余暇でやる程度 | 本格的に取り組む |
| 将来の方向性 | お小遣い稼ぎ | 独立の準備・キャリアの複線化 |
この記事で扱うのは、会社員をしながらフリーランスとして本格的に活動する「複業」スタイルです。将来的な独立を視野に入れている方にとって、リスクを最小限に抑えながらキャリアを構築できます。
「副業」と聞くとお小遣い稼ぎのイメージがありますが、「複業」は将来の独立に向けた戦略的なキャリア構築です。会社員としての安定収入を確保しながら、フリーランスとしてのスキルと人脈を築いていく。いざ独立するときには、すでに顧客基盤と実績ができているので、収入がゼロになるリスクを避けられます。

【体験談】会社員×フリーランスのリアル
体験談1:Webデザイナー Aさん(32歳・男性)
本業:IT企業の営業職(年収450万円)
複業:Webデザイン(月収8〜15万円)
両立歴:2年
「最初は本業の後にデザインの勉強をするところからスタートしました。3ヶ月間は独学で、その後クラウドソーシングで小さな案件から受注。1年目の複業収入は月3〜5万円でしたが、2年目には月10万円を超えるようになりました。」
「一番大変だったのは、本業が忙しい時期に納期が重なること。事前にスケジュールを管理して、繁忙期は案件数を減らすことで乗り越えました。」
体験談2:Webライター Bさん(28歳・女性)
本業:メーカーの事務職(年収350万円)
複業:Webライティング(月収5〜10万円)
両立歴:1年半
「文章を書くのが好きで、副業としてWebライティングを始めました。平日は夜1〜2時間、休日は4〜5時間をライティングに充てています。最初は文字単価0.5円でしたが、今は2円まで上がりました。」
「会社にバレないか心配でしたが、確定申告で住民税を普通徴収にすることで問題なく続けられています。」

体験談3:プログラマー Cさん(35歳・男性)
本業:金融機関のシステム部門(年収550万円)
複業:フリーランスエンジニア(月収15〜25万円)
両立歴:3年
「本業で身につけたスキルをそのまま活かせるので、新しい勉強はほとんど必要ありませんでした。最初はエージェント経由で週末だけの案件を受注。今では継続クライアントが3社あり、安定して月20万円前後を稼いでいます。」
「正直、いつ独立してもいい状態ですが、会社員の安定感も捨てがたくて。今のスタイルがベストだと思っています。」
会社員×フリーランスに向いている職種
すべての仕事がフリーランスとの両立に向いているわけではありません。特に両立しやすい職種をまとめました。
| 職種 | 月収目安 | 必要スキル | 両立しやすさ |
|---|---|---|---|
| Webライティング | 3〜15万円 | 文章力・リサーチ力 | ★★★★★ |
| Webデザイン | 5〜20万円 | デザインスキル | ★★★★☆ |
| プログラミング | 10〜30万円 | 開発スキル | ★★★★☆ |
| 動画編集 | 3〜15万円 | 編集ソフトの操作 | ★★★☆☆ |
| コンサルティング | 10〜50万円 | 専門知識・実績 | ★★★☆☆ |
| 翻訳 | 3〜10万円 | 語学力 | ★★★★☆ |
| イラスト制作 | 3〜15万円 | 画力・デザインスキル | ★★★★☆ |
共通しているのは、「場所を選ばず作業できる」「成果物で評価される」「自分のペースで進められる」という点です。時間と場所に縛られない仕事ほど、会社員との両立がしやすいです。副業で稼げるスキルの選び方は以下の記事で解説しています。

逆に、「特定の場所に行く必要がある」「リアルタイムでの対応が頻繁に発生する」タイプの仕事は、会社員との両立が難しくなります。両立を前提にするなら、なるべく非同期で進められる仕事を選ぶのがコツです。


会社員×フリーランス両立のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 安定収入を確保しながら挑戦できる | 自由な時間が減る |
| 独立の準備期間として活用できる | 体力的・精神的な負担が大きい |
| 本業では得られない経験・スキルが身につく | 本業のパフォーマンスが落ちるリスク |
| 収入源が複数になりリスク分散できる | 税務処理が複雑になる |
| 人脈が広がる | プライベートの時間が犠牲になりがち |
金銭面のメリットを具体的に見てみよう
会社員の年収が400万円の場合、フリーランスで月10万円を稼ぐと年間120万円の追加収入。合計520万円になります。しかもフリーランスの収入には経費が使えるので、パソコンやソフトウェアの購入費、通信費、書籍代などを経費計上すれば、税金の負担も軽減できます。
さらに、開業届を出して青色申告を行えば、最大65万円の特別控除が受けられます。これは節税効果として非常に大きく、「会社員の給与+フリーランスの収入」というハイブリッド構成の税務上の優位性と言えます。
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両立を成功させるための5つのコツ
コツ1:本業を絶対におろそかにしない
これが最も重要なポイントです。フリーランスの仕事にのめり込んで本業に支障が出たら、最悪の場合は解雇や降格のリスクもあります。本業あっての複業であることを忘れないでください。
本業のパフォーマンスが落ちたら、上司や同僚に副業を疑われるリスクも上がります。「最近パフォーマンスが下がったけど、もしかして副業してる?」と思われたら元も子もないですよね。本業では今まで以上に成果を出すくらいの気持ちで取り組みましょう。
コツ2:時間を「ブロック」で管理する
「余った時間でやる」のではなく、あらかじめフリーランスの作業時間をカレンダーにブロックしましょう。
- 平日夜21時〜23時:フリーランス業務
- 土曜日午前:フリーランス業務
- 日曜日:完全オフ
時間をブロックしておくと、ダラダラせずに集中できます。
具体的なタイムスケジュール例を紹介します。
| 時間 | 平日 | 土曜日 | 日曜日 |
|---|---|---|---|
| 6:00〜7:00 | 朝活(インプット) | フリーランス業務 | 休み |
| 8:00〜18:00 | 本業 | フリーランス業務 | 休み |
| 19:00〜20:00 | 夕食・リラックス | 自由時間 | 休み |
| 21:00〜23:00 | フリーランス業務 | 自由時間 | 休み |
大切なのは、日曜日を完全オフにすること。週に1日は何もしない日を作らないと、燃え尽きてしまいます。


コツ3:受ける案件数をコントロールする
「稼ぎたい」気持ちは理解できますが、キャパ以上の案件を受けるとパンクします。最初は1〜2件から始めて、慣れてきたら徐々に増やしていくのが安全です。
案件をコントロールする上で重要なのは、「断る勇気」を持つことです。継続クライアントから追加の依頼が来ると断りにくいですが、キャパオーバーの状態で受けると品質が下がり、結果的に信頼を失います。「今月はスケジュールが埋まっているので、来月以降でいかがでしょうか」と正直に伝えるのが、長期的な信頼関係構築に繋がります。


コツ4:健康管理を最優先する
本業+フリーランス+生活で、睡眠時間を削るのは絶対にNGです。体を壊したらすべてが止まります。最低でも6時間の睡眠は確保しましょう。
健康管理の具体的なポイントとしては、以下を意識してください。
- 睡眠:6〜7時間は確保。睡眠の質を高めるために、寝る前のスマホは控える
- 運動:週2〜3回、30分程度の運動。散歩やジョギングでOK
- 食事:忙しくてもジャンクフードに頼らない。簡単でもバランスの良い食事を
- メンタル:「しんどい」と思ったらペースを落とす勇気を持つ
コツ5:定期的に「続けるかどうか」を見直す
3ヶ月に1回は、両立を続けるべきかどうかを冷静に振り返りましょう。「つらい」「楽しくない」と感じるなら、ペースを落とすか方向転換する勇気も大切です。
振り返りのときにチェックしたい項目は以下の通りです。
- 本業のパフォーマンスは維持できているか?
- フリーランスの仕事を楽しめているか?
- 健康状態は問題ないか?
- プライベートの時間は確保できているか?
- 収入は目標に近づいているか?
- スキルは向上しているか?
会社員がフリーランス活動を始める前にやるべきこと
就業規則を確認する
まず自分の会社が副業・複業を許可しているか確認しましょう。記事執筆時点では副業解禁企業は増えていますが、まだ禁止の会社もあります。規則違反にならないよう注意してください。
就業規則で副業が「許可制」の場合は、事前に上司や人事部に相談して許可を得る必要があります。「届出制」の場合は、所定の書類を提出するだけでOKです。「禁止」の場合でも、副業の種類や内容によっては認められるケースもあるので、一度人事部に相談してみる価値はあります。
開業届を出すかどうか検討する
フリーランスとして活動するなら、開業届(国税庁)を出して個人事業主になることをおすすめします。青色申告で最大65万円の控除が受けられるため、税金面でかなり有利になります。
開業届は税務署に提出するだけで、手数料はかかりません。青色申告承認申請書も同時に出しておくと、確定申告のときに65万円の特別控除が使えます。開業届を出したからといって会社を辞める必要はないので、安心してください。開業届の出し方は以下の記事で解説しています。



就業規則で「競業避止義務」が定められている場合は注意が必要です。本業と直接競合する活動は避けたほうが無難です。不安な場合は、人事部門に事前に確認しておきましょう。
事業用の銀行口座を作る
本業の給与口座とフリーランスの報酬口座は分けておきましょう。確定申告のときに圧倒的に楽になります。
事業用口座は、ネットバンクがおすすめです。振込手数料が安く、入出金の明細もオンラインで確認できるので、経理作業が楽になります。楽天銀行や住信SBIネット銀行なら、口座開設も無料でスムーズです。
会計ソフトを導入する
フリーランスの収入が増えてくると、経費管理と確定申告が避けて通れなくなります。最初から会計ソフトを導入しておくと、あとで楽になります。freeeやマネーフォワードなら、銀行口座やクレジットカードと連携して、自動で仕訳してくれます。年間1万円程度のコストはかかりますが、確定申告の手間を考えると十分に元が取れます。


フリーランスの案件はどうやって見つける?
会社員をしながらフリーランスの案件を獲得するには、いくつかのルートがあります。
クラウドソーシング
クラウドワークスやランサーズなど、オンラインで案件を探せるプラットフォームです。初心者でも応募しやすく、実績を積むには最適な入り口です。ただし、競争が激しいため単価は低めの傾向があります。最初は実績作りと割り切って、徐々に直接取引に移行していくのが王道ルートです。
フリーランスエージェント
エンジニアやデザイナーなど、技術系の職種なら、フリーランスエージェントを活用するのも有効です。週1〜2日稼働の案件や、リモート案件を紹介してもらえます。エージェント経由の案件はクラウドソーシングより単価が高い傾向にありますが、一定のスキルレベルが求められます。
知人・SNS経由
実はフリーランスの案件獲得で最も多いルートが「紹介」です。前職の同僚、勉強会で知り合った人、SNSで繋がった人からの紹介で案件が発生することが非常に多いです。日頃から自分のスキルや活動内容をSNSで発信しておくと、思わぬところから声がかかることがあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 会社にバレずにフリーランス活動はできますか?
確定申告で住民税を「普通徴収(自分で納付)」にすれば、税金面からバレることはほぼありません。ただし、SNSでの発信やクライアントとの関係から間接的にバレることもあるので注意が必要です。
Q2. 確定申告はどうすればいいですか?
フリーランスの所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要です。国税庁の確定申告特集ページを確認しつつ、freeeなどの会計ソフトを使えば、初心者でも比較的簡単に申告できます。
Q3. 社会保険はどうなりますか?
会社員として社会保険に加入しているなら、フリーランス活動をしていてもそのまま会社の社会保険が適用されます。フリーランス分の収入に対して、別途国民健康保険に加入する必要はありません。


Q4. どのくらいの期間、両立してから独立すべきですか?
一般的には、フリーランス収入が本業の月収と同じくらいになってから独立を検討するのがおすすめです。最低でも半年〜1年は両立期間を設けて、安定した顧客基盤を作ってからのほうが安全です。
Q5. 両立で疲れないコツはありますか?
週に1日は必ず「完全オフ」を作ることです。また、フリーランスの仕事を「楽しい」と思える内容にすることも大切です。義務感だけで続けると、確実に疲弊します。
Q6. 本業と同じ分野のフリーランス活動はOK?
就業規則で「競業避止義務」が定められている場合は注意が必要です。本業と直接競合する活動は避けたほうが無難です。不安な場合は、人事部門に事前に確認しておきましょう。
Q7. 最初の案件を獲得するまでに、どれくらいの期間がかかりますか?
スキルや職種にもよりますが、クラウドソーシングを使えば1〜2週間で最初の案件を受注できることが多いです。ただし、最初の数件は実績作りのため、相場より低い単価で受注することも覚悟しておきましょう。実績が3〜5件貯まれば、適正単価で受注しやすくなります。
独立を決断するタイミングの見極め方
両立を続けていると、いつか「独立するかどうか」の判断を迫られるタイミングが来ます。以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- フリーランス収入が本業の月収を超えている
- 継続クライアントが3社以上いる
- 6ヶ月以上、安定してフリーランス収入が入っている
- 生活費の6ヶ月分以上の貯金がある
- フリーランスの仕事のほうが「楽しい」と感じる
- 本業の時間がフリーランスの成長を阻害していると感じる
逆に、「まだフリーランスの収入が不安定」「貯金が少ない」「家族の理解が得られていない」という状態なら、もう少し両立を続けて基盤を固めてからのほうが安全です。焦って独立する必要はありません。会社員×フリーランスの両立そのものが、十分に価値のあるキャリア戦略です。独立のベストタイミングは以下の記事で解説しています。



まとめ:両立は「賢いキャリア戦略」
会社員とフリーランスの両立は、正しく実践すれば非常に有効なキャリア戦略です。
- 安定収入を確保しながらリスクゼロで挑戦できる
- 独立の準備を実践的に進められる
- 収入源が複数になり将来の不安が減る
- スキルと人脈が加速度的に広がる
もちろん楽ではありません。しかし体験談で紹介した方々が証明しているように、時間管理と優先順位の付け方さえ間違えなければ、両立は十分に可能です。
まずは小さな案件から始めてみてください。会社員の安定と、フリーランスの自由。その両方を手に入れる一歩を、今日から踏み出しましょう。完璧な準備は必要ありません。「やりながら学ぶ」ことが、フリーランスで成功する最大のコツです。
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