「単価を上げたいけど、嫌われたらどうしよう」「仕事がなくなったら困る」――そんな不安から単価交渉を避けているフリーランスは少なくありません。しかし、単価交渉をしないフリーランスは毎年損をし続けています。この記事では、単価交渉の具体的なやり方と成功率を上げるテクニックを解説します。
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単価交渉しないフリーランスは毎年実質値下げと同じ
フリーランスの単価は、黙っていても上がりません。スキルが向上しても、実績が増えても、自分から交渉しなければ単価は据え置きです。毎年物価が上がる中で単価が変わらないのは、実質的な値下げと同じです。
実際に数字で見てみましょう。例えば月50万円の案件を3年間同じ単価で続けた場合、物価上昇率が年2%だとすると、実質的な購買力は50万→49万→48万と減り続けます。3年間で約30万円分の「見えない損失」が発生している計算です。定期的に単価交渉をしないフリーランスは、気づかないうちにどんどん損をしているわけです。

単価交渉のベストタイミング
タイミングの見極めが成功のカギを握ります。以下のタイミングは特に交渉が通りやすいです。
| タイミング | 成功率 | 理由 |
|---|---|---|
| 契約更新時 | ★★★★★ | 自然な流れで交渉できる |
| 大きな成果を出した直後 | ★★★★☆ | 実績を根拠に交渉しやすい |
| 業務範囲が広がったとき | ★★★★☆ | 仕事が増えたのに報酬が同じは不合理 |
| 半年〜1年の継続後 | ★★★★☆ | 信頼関係が築けている |
| 新規案件の見積もり時 | ★★★★★ | 最初から高めに設定できる |
逆に避けた方がいいタイミングもあります。クライアントの業績が悪い時期、大きなトラブルの直後、プロジェクトが佳境に入っている最中は交渉すべきではありません。空気を読む力も交渉スキルのうちです。
単価交渉の具体的なやり方
ステップ1:市場相場を調査する
エージェントの案件情報やクラウドソーシングの相場を確認して、自分の単価が適正かどうかを客観的に把握しましょう。副業案件を探すならクラウドワークス公式サイトがおすすめです。
調査のポイントは以下の3つです。
- 同じスキルセット・経験年数のフリーランスの相場を3〜5件調べる
- エージェント案件の公開単価をチェック(実際の単価はさらに高いことが多い)
- SNSやコミュニティでの情報交換(フリーランスの勉強会などで相場感を把握)
ステップ2:交渉の根拠を準備する
「なぜ単価を上げるべきか」の根拠を3つ以上用意しましょう。具体的な成果、スキルアップ、市場相場との比較などを整理します。
根拠として使えるものの具体例を挙げます。
- 「PVを前月比30%向上させた」などの具体的な成果データ
- 「新たに○○の資格を取得した」などのスキルアップ実績
- 「市場相場を調べたところ、同等のスキルで月○○万円が平均」という客観的データ
- 「当初の契約範囲を超えて○○の業務も担当している」という業務範囲の拡大
- 「○ヶ月間、納期遅延ゼロで対応してきた」という信頼実績

ステップ3:希望額を明確にする
「もう少し上げてほしい」ではなく「現在の○○円から○○円への改定をお願いしたい」と具体的な金額を伝えましょう。曖昧な表現だと相手も判断しにくく、交渉がまとまりません。
希望額を決めるコツは「落としどころ」を事前に考えておくことです。例えば本当は月55万円が欲しい場合、最初は60万円で提示する。相手が「55万円ならいいですよ」と言ってくれれば大成功です。最初から55万円で提示してしまうと、「50万円ならOK」と下げられる余地が生まれてしまいます。収入の安定化戦略は以下の記事で解説しています。

ステップ4:交渉する
対面やビデオ通話がベストです。メールやチャットでも構いません。「いつもお世話になっています。次回の契約更新に際して、報酬についてご相談させていただきたく…」と切り出しましょう。
交渉の場では以下を意識してください。
- 感情的にならず、あくまで「ビジネスの提案」として伝える
- 相手の反応を見ながら、柔軟に対応する
- すぐに返事をもらう必要はない。「検討していただければ」と余裕を見せる
- 交渉が不調でも「では改めて半年後にご相談させてください」と次につなげる
交渉時の伝え方テンプレート
どう切り出せばいいかわからないという方は、以下のテンプレートを参考にしてください。
「いつもお世話になっております。○○の案件を担当させていただいて○ヶ月が経ちました。この間、○○(具体的な成果)を達成でき、また○○のスキルも新たに身につけました。つきましては、次回の契約更新に際して、月額報酬を現在の○○万円から○○万円へ改定いただけないかご相談させていただければと思います。引き続き御社のお力になれるよう尽力いたします。」
NGな伝え方
交渉で絶対に避けるべき伝え方もあります。
- 「生活が苦しいから上げてほしい」→個人的な事情は交渉材料にならない
- 「他のクライアントはもっと払ってくれる」→比較されて気持ちよくない
- 「上げてくれないなら辞めます」→脅しは関係を壊す
- 「みんなこのくらいもらってるのに」→根拠になっていない
あくまで「自分の提供価値に対する正当な対価」として交渉するのが鉄則です。


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成功率を上げる5つのテクニック
- 日頃から期待以上の成果を出す:交渉の最大の武器は「この人を失いたくない」と思わせること
- 希望額より少し高めに提示する:交渉の余地を残しておく
- 代替案を用意する:金額が無理なら稼働日数の削減、業務範囲の見直しなど
- 断られても関係を壊さない:「今回は承知しました。半年後にまた相談させてください」
- 他の案件のオファーを持っておく:選択肢がある状態が一番の交渉材料
単価交渉が通りやすい人・通りにくい人の特徴
| 通りやすい人 | 通りにくい人 |
|---|---|
| 成果を数字で示せる | 「頑張ってます」しか言えない |
| 代わりの人が見つかりにくいスキルを持つ | 誰でもできる業務しか担当していない |
| 納期を守り、品質が安定している | 納期遅延やクオリティのムラがある |
| コミュニケーションが円滑 | 連絡が遅い、報連相ができない |
| 業界の相場を把握している | 自分の市場価値を理解していない |
交渉力はテクニックだけでなく、日頃の仕事ぶりの積み重ねです。「交渉の日だけ頑張る」のではなく、普段から「この人に辞められたら困る」と思ってもらえる存在を目指しましょう。職種別の単価相場は以下の記事で解説しています。



単価交渉の具体的なケーススタディ
ケース1:Webライター(月40万円→50万円に交渉成功)
1年間継続していたクライアントに対して、契約更新時に交渉。「この1年でSEO記事のアクセス数を平均40%向上させた」「自分で取材もできるようになった」という2つの根拠を提示。結果、月50万円への増額が通りました。ポイントは具体的なデータと、新たに身につけたスキルのセットで説得力を持たせたことです。
ケース2:エンジニア(時給4,000円→5,000円に交渉成功)
半年間のプロジェクト終了後、次のプロジェクトに入るタイミングで交渉。「同等スキルのエージェント案件は時給6,000〜7,000円が相場」というデータを見せて、5,000円への改定を依頼。クライアントも市場を調べて相場と乖離していたことを認め、5,000円で合意しました。
ケース3:デザイナー(交渉失敗→3ヶ月後に成功)
最初の交渉では「今は予算が厳しい」と断られました。しかし3ヶ月後にクライアントの新規プロジェクトが始まるタイミングで再交渉。「新プロジェクトでは○○のスキルも活かせる」と付加価値を示して成功。諦めずに次の機会を待つことも大切です。


よくある質問(FAQ)
Q. 単価交渉で嫌われませんか?
A. 丁寧に根拠を持って伝えれば嫌われません。むしろ「自分の価値を理解しているプロ」として評価されるケースが多いです。
Q. いくらくらい上げるのが妥当?
A. 一度の交渉で10〜20%アップが目安です。月50万→55万〜60万円のレンジが現実的です。
Q. 断られたらどうする?
A. すぐに仕事を辞める必要はありません。理由を聞いて、次の交渉に活かしましょう。半年後に再チャレンジです。
Q. 新規クライアントへの単価提示のコツは?
A. 最初の見積もりが肝心です。低く出すと後から上げにくいので、適正価格かやや高めで提示しましょう。
Q. エージェント経由の案件でも単価交渉できますか?
A. できます。エージェントの担当者に「単価を上げてほしい」と伝えましょう。担当者がクライアントと交渉してくれます。
Q. 複数のクライアントに同時に交渉してもいい?
A. 問題ありません。むしろ複数のクライアントに同時期に交渉することで、全体の収入底上げにつながります。ただし各クライアントの状況に合わせた個別の根拠は用意しておきましょう。
Q. 初めてのクライアントとの単価交渉が怖いのですが
A. 初めてが一番緊張しますが、一度成功すると「もっと早くやればよかった」と感じるはずです。まずは信頼関係ができているクライアントで練習してから、他のクライアントにも展開するのがおすすめです。
まとめ:単価交渉は「伝え方」で決まる
- 単価交渉しないと毎年実質値下げ。定期的に交渉する習慣をつける
- 契約更新時と成果を出した直後がベストタイミング
- 具体的な成果と市場相場を根拠に、希望額を明確に伝える
- 10〜20%アップが1回の交渉の目安
- 断られても関係を壊さず、次の機会に備える
- 日頃から「この人に辞められたら困る」と思わせる仕事をする
単価交渉は技術です。練習するほど上手くなります。公正取引委員会のフリーランスガイドライン(www.jftc.go.jp・サイト終了)によれば、発注者による一方的な報酬の減額は禁止されています。自分の権利を知ったうえで交渉に臨みましょう。freeeで収支を見える化しておくと、交渉の根拠資料にもなります。一度成功すると「もっと早くやればよかった」と感じるはずです。フリーランス協会公式サイトで相場情報も確認できます。
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