「副業ってできるの?」という悩みを持つ方は少なくありません。結論から言うと、完全NGではなく「許可制」で認められるケースがあります。法律の根拠と具体的な判断基準を正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、許可される副業・禁止される副業の違い、許可申請の方法、グレーゾーンの判断基準までまとめて解説します。「何がOKで何がNGなのか」をはっきり知っておくだけで、余計な不安が消えて行動しやすくなります。

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副業の法的根拠と原則
副業は法律(国家公務員法第103条・104条、地方公務員法第38条)で原則禁止されています。ただし「完全禁止」ではなく「許可制」です。つまり、許可を得れば合法的にできる副業も存在します。
そもそもなぜ副業が制限されているのかというと、大きく3つの理由があります。
- 職務専念義務:本業に集中すべきという考え方。副業で疲労がたまり、本業のパフォーマンスが落ちることへの懸念です
- 信用失墜行為の禁止:職務の信頼を損なうような行為は許されません。たとえば利害関係者から報酬を受け取るケースなどが該当します
- 守秘義務:職務上知り得た秘密を外部に漏らしてはいけません。副業を通じて情報が流出するリスクがあるため、制限がかかっています
逆に言えば、これら3つに抵触しない副業であれば、許可される余地が大きいということです。この原則を押さえておくだけで、「自分の副業は許可されそうか」の判断がしやすくなります。
副業ルール一覧
| 副業の種類 | 可否 | 許可の必要 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 不動産投資(小規模) | ○ | 不要(5棟10室未満) | 5棟10室以上は許可必要 |
| 株式投資・FX | ○ | 不要 | 資産運用は副業にあたらない |
| 農業(家業の手伝い) | ○ | 許可必要 | 自営として認められるケースあり |
| 執筆・講演 | △ | 許可必要 | 職務に支障がなければ許可されやすい |
| 地域貢献活動(有償ボランティア) | △ | 許可必要 | 近年は許可される自治体が増加 |
| 一般的なアルバイト | × | − | 原則認められない |
| フリーランス活動 | × | − | 営利企業の経営に該当 |
| ブログ・アフィリエイト | △ | グレーゾーン | 報酬が発生すると問題になる可能性 |
| 太陽光発電の売電 | ○ | 不要(10kW未満) | 10kW以上は事業規模として許可必要 |
| フリマアプリでの不用品販売 | ○ | 不要 | 営利目的の転売はNG |

許可を得やすい副業
1. 不動産投資
5棟10室未満の小規模な不動産投資は許可不要です。それ以上の規模になると「事業的規模」とみなされ、許可が必要になります。
不動産投資が許可されやすい理由は、「資産運用」の範囲として認められているからです。相続したマンションを賃貸に出す、ワンルーム投資をするといったケースは実際に多くの方がやっています。ただし以下の点に注意してください。
- 管理は管理会社に委託する(自分で管理すると副業と見なされやすい)
- 年間の賃料収入が500万円以上になると許可が必要なケースがある
- 不動産の取得・売買に職務上の情報を利用しない
2. 株式投資・投資信託
資産運用は副業に該当しないため、自由に行えます。ただし勤務時間中の取引や、職務上知り得た情報を利用するのはNGです。
具体的には、つみたてNISA、iDeCo、投資信託の積立といった長期投資は全く問題ありません。デイトレードのように日中にずっと画面を見ている必要がある投資スタイルは、職務専念義務の観点からグレーゾーンになるので注意しましょう。
3. 執筆活動
書籍の執筆や雑誌への寄稿は、許可を得れば可能です。専門知識を活かした執筆は比較的許可されやすい傾向にあります。
実際に多くの方が専門書や業界誌への寄稿を行っています。許可を得るポイントは以下の通りです。
- 職務に関連する専門知識を社会に還元する目的を明確にする
- 職務に支障がないことを説明する(休日に執筆する等)
- 職務上の秘密に触れない内容であることを示す
- 原稿料の金額が過大でないこと
4. 地域貢献活動
近年は「地域貢献」を推進する自治体が増えており、地域活動に関する副業は許可されやすくなっています。神戸市や生駒市などが先進的な取り組みを行っています。
地域貢献型の副業が注目されている背景には、地方創生の推進があります。具体的にはこんな活動が許可されています。
- 地域のNPO法人での有償活動
- 地元企業へのコンサルティング(専門知識を活かした助言)
- 地域イベントの運営・企画への有償参加
- スポーツ指導や文化活動の講師
5. 太陽光発電の売電
自宅の屋根にソーラーパネルを設置して売電する場合、10kW未満であれば許可不要で行えます。初期投資は必要ですが、設置後はほぼ手間がかからないため、職務専念義務に抵触しにくいのがポイントです。
副業解禁の動き
副業をめぐる状況は少しずつ変化しています。制度は年々変わっていくため、最新情報のチェックが欠かせません。
- 一部の自治体で「地域貢献型副業」の許可基準を緩和
- テレワーク普及に伴い、柔軟な働き方の議論が活発化
- ただし大幅な規制緩和にはまだ至っていない
- 国家戦略特区での副業容認実験が進行中
- 兼業・副業ガイドラインの整備が進んでいる
注目すべきは、副業解禁の流れが「民間企業」だけでなく「公的セクター」にも広がりつつある点です。たとえば、神戸市では「地域貢献活動に関する副業」について独自の許可基準を設け、職員が地域で活躍しやすい環境を整えています。生駒市も「地域活動を通じた職員の成長」を推進しており、こうした先行事例が他の自治体にも波及していく可能性は十分にあります。

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副業許可申請の具体的な手順
「許可制って言われても、具体的にどうすればいいの?」という方のために、一般的な申請の流れを解説します。
ステップ1:人事担当に事前相談
いきなり申請書を出すのではなく、まず人事部門に口頭で相談するのがスムーズです。「こういう副業を考えているのですが、許可制度はどうなっていますか?」と聞くだけでOK。この段階で門前払いされることは少なく、多くの場合「申請書を出してください」と案内されます。
ステップ2:副業許可申請書を作成
申請書には以下の内容を記載するのが一般的です。
- 副業の内容(具体的に何をするのか)
- 副業先の名称・所在地
- 従事する期間と時間(週何時間、いつやるのか)
- 報酬の見込み額
- 本業との利害関係がないことの説明
- 職務に支障がない理由
ステップ3:上長の承認を得る
直属の上司の承認が必要なケースが多いです。上司には「本業に支障はない」「休日や勤務時間外に行う」ことをしっかり伝えましょう。
ステップ4:人事部門の審査・許可
申請書が人事部門に回り、法令や内部規定に照らして審査されます。審査期間は自治体・省庁によって異なりますが、2週間〜1ヶ月程度が目安です。

グレーゾーンの副業をどう判断するか
ブログ、YouTube、ハンドメイド販売など、「副業に該当するかどうか微妙」なケースは少なくありません。判断のポイントをまとめます。
「趣味」と「副業」の境界線
基本的に、趣味で行っている活動は副業にあたりません。しかし、そこから継続的に収入が発生すると「営利活動」と見なされる可能性があります。
| 活動内容 | 趣味の範囲 | 副業に該当しうるケース |
|---|---|---|
| ブログ運営 | 広告なし、収益ゼロ | 広告を設置して収入が発生 |
| YouTube | 収益化なし | 収益化を有効にして広告収入あり |
| ハンドメイド | 自分用や友人にプレゼント | フリマアプリで継続的に販売 |
| 写真撮影 | 趣味で撮影 | ストックフォトで販売 |
迷ったときの鉄則は「人事に聞く」です。自己判断でやって後から問題になるよりも、事前に確認しておく方がはるかに安全です。「聞いたら怒られるのでは」と不安になる方もいますが、相談しただけで処分されることはまずありません。
バレるとどうなる?
- 戒告・減給:軽微な場合
- 停職:継続的な副業が発覚した場合
- 免職:悪質なケース(多額の報酬、職務への支障がある場合)
リスクが大きいため、許可なく副業するのは絶対におすすめできません。
実際に過去の事例を見ると、発覚するパターンは大きく3つあります。
- 住民税の増加:副業収入があると住民税が増え、経理部門から「なぜ住民税が多いのか」と指摘されるパターン。確定申告時に「普通徴収(自分で納付)」を選べば回避できますが、100%安全とは言えません
- 同僚からの密告:SNSへの投稿や飲み会での不用意な発言から副業がバレるケースは意外と多いです
- ネット上での発覚:実名や写真を使った活動が検索で見つかるパターン。特にYouTubeやブログは要注意です
許可が下りなかった場合の代替策
「副業の許可が下りなかった…」という方でも、合法的にできることはたくさんあります。
- 資産運用に注力する:つみたてNISA、iDeCo、投資信託、個別株投資は自由にできます。長期的な資産形成としては最も確実な方法です
- スキルアップに投資する:資格取得、オンライン学習、プログラミング学習などは制限なし。将来の転職や副業解禁に備えてスキルを磨いておけば、いざというとき即座に動けます
- 不用品販売:自宅の不用品をフリマアプリで売るだけなら副業に該当しません。断捨離しながらお小遣い稼ぎができます
- ポイント活動:ポイントサイトやクレジットカードのポイント活用は副業に該当しません

よくある質問(FAQ)
Q. ブログやYouTubeは副業に該当しますか?
趣味で運営するだけなら問題ありませんが、広告収入が発生すると「営利活動」とみなされる可能性があります。グレーゾーンなので、人事担当に相談するのが安全です。
Q. メルカリでの不用品販売は副業ですか?
不用品を売るだけなら副業に該当しません。ただし、仕入れて転売する「せどり」は営利活動にあたります。メルカリ公式サイトは初心者でも始めやすいフリマアプリです。
Q. 配偶者名義で副業するのはOKですか?
実質的に自分が行っている場合は脱法行為とみなされるリスクがあります。おすすめできません。配偶者の名前を借りて事業を行っていることが発覚した場合、より重い処分を受ける可能性もあります。
Q. 退職後はすぐに副業できますか?
退職後は基本的に自由ですが、退職前の職務に関連する営利企業への就職は、退職後一定期間制限される場合があります(再就職規制)。具体的な制限期間は国家の場合は2年間、地方の場合は条例によって異なります。
Q. 副業許可の申請方法は?
所属する組織の人事担当に相談して、副業許可申請書を提出します。具体的な手続きは自治体・省庁によって異なります。
Q. 家族が経営する会社の手伝いはできますか?
家業の手伝い(特に農業)は許可されやすい傾向にあります。ただし、「手伝い」の範囲を超えて実質的な経営に関与している場合は問題になります。事前に人事に相談して許可を得ておきましょう。
Q. 講演依頼を受けたいのですが?
講演は許可を得れば可能なケースが多いです。特に専門分野に関する講演は「社会貢献」として評価されやすく、比較的許可が下りやすい副業の一つです。報酬の有無や金額、講演先との利害関係を申請書に明記しましょう。
Q. 仮想通貨(暗号資産)の取引は副業ですか?
株式投資と同様に「資産運用」に該当するため、副業には当たりません。ただし、勤務時間中の取引は職務専念義務に抵触する可能性があるので避けましょう。
まとめ:「ルール内」で戦略的に動く
- 副業は原則禁止だが、許可制で認められるケースがある
- 不動産投資と株式投資は自由度が高い
- 執筆・講演・地域貢献活動は許可を得れば可能
- 無許可の副業はリスクが大きい(停職・免職の可能性)
- グレーゾーンの活動は人事に事前相談するのが鉄則
- 許可が下りなくても資産運用やスキルアップで将来に備えられる
- 将来に向けたスキルアップ(資格取得、学習)は自由にできる
ルールを守ることが大前提です。投資に関する確定申告は国税庁の確定申告特集ページで確認できます。副業の制度動向は厚生労働省の副業ガイドラインも参考になります。許可される範囲で最大限活用しつつ、将来の選択肢を広げるスキルアップに時間を投資するのが賢い戦略です。焦って無許可で始めるのではなく、正しい手順を踏んで堂々と副業に取り組みましょう。
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